2015年04月14日

Fahrenheit 9/11 (華氏911)



ストーリー:
ボウリング・フォー・コロンバイン』のマイケル・ムーアが、ジョージ・W・ブッシュの再選阻止を目的に作った映画です。
2001年9月11日の同時多発テロが起きた後に、当時のジョージ・W・ブッシュ大統領がいかに911の悲劇を利用してアフガニスタンとイラクへの戦争へと導いていくのかを、実際の映像資料やデータを用いながら示していきます。アメリカのセキュリティシステム、混乱、恐怖、不安、愛国心などを煽り、「大量破壊兵器」があるという根拠のない話を元に戦争を始めますが、911の実行組織アルカイダの長であるオサマ・ビン・ラディンは見つからないままです。
911があったときのジョージ・W・ブッシュ元大統領の対応。それ以前のブッシュ家と中東との結び付き。当時のテレビ報道や世論の様子も映像で見せてくれます。

2004年カンヌ国際映画祭パルムドール受賞

監督・脚本・製作:マイケル・ムーア
出演: ジョージ・W・ブッシュ(記録映像)



感想:
観てから少し経ってしまったのですが、記録用に思い出しながら書きます。

マイケル・ムーア監督のドキュメンタリーは好きで他にも見ています。この映画も興味深く観ました。
911が起こった直後の呑気なブッシュ元大統領には唖然とします。
驚きの事実を実際の映像やデータや資料を示してくれるので説得力があります。政治家の陰謀というのは恐ろしいものだと思います。
マイケル・ムーア監督がホワイトハウスの前で議員に「お子さんをイラクへ出兵させませんか?」と声をかけながらパンフレットを配るシーンはよくやった!と思いました。戦争は安全、戦争賛成ならば、まずは自身の子供たちから出兵してはどうかということです。議員たちはマイケル・ムーアをあからさまに嫌がり避けて通ります。
戦争の残虐さも映像で見せてくれます。マイケル・ムーアはブッシュ元大統領の批判もそうですが、反戦も訴えたかったんだと思います。

マイケル・ムーア監督が自身の都合のよいように偏って集めた映像や資料だと言う人がいるかもしれません。そういう部分もあるかもしれませんが、映画で使われている映像や資料はねつ造されたものではなく、確かに実在するということがすでに問題だと思います。

それに、ブッシュ元大統領が世論を戦争へと導いていった当時の様子を見ると、そのときの報道こそ偏りがあるとわかります。報道機関がいかに政府によってコントロールされているかと考えると恐ろしくなります。

この映画を観ないで批判することだけはしてほしくないですね。まず興味があるなら観てほしい映画です。対岸の火事ではないと思います。

国際的なジャーナリスト組織である「国境なき記者団」が「世界報道自由度ランキング」というものを毎年発表しています。
2015年2月発表のランキングを見ると、日本は180か国中61位。「問題あり」の区分に入っています。
ちなみに60位が韓国です。

ランキング 世界のネタ帳より
色分けした地図 ロイターより

ところで前回感想を書いた「アメリカン・スナイパー」のクリス・カイルもアメリカと仲間を守るためと信じて出兵したんですよね。

書いてたらもう一度観たくなってきました。

☆の数は…★★★★☆
(5点満点、★=1、☆=0.5)

all cinema
IMDb
Amazon.co.jpでレビューを見る
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2010年05月04日

We Live in Public (原題:ウィー・リヴ・イン・パブリック)

2010年春現在、日本未公開のドキュメンタリー映画です。

ストーリー:
誰も聞いたことがないインターネットのパイオニア、ジョシュ・ハリスのドキュメンタリー。映画はジョシュが最期の時を迎えている母親への"ビデオレター"から始まります。
さかのぼること1990年代前半にジョシュはインターネット通信を利用してチャット、音楽配信の技術を生みだし、初めてオンラインテレビを創り出す。

その時代にジョシュは、インターネットが普及することでテレビ局はつぶれ、情報が筒抜けになる世の中がやってきて人々のプライバシーもなくなると予測している。

1999年〜2000年になるちょうどミレニアムのタイミングで、その彼の考えを形にするいわば実験という名であるプロジェクトを実施する。それが「We live in public」。地下に大きなカプセルホテルのような空間を作り、無償で人々に食事・娯楽などなんでも好きなものを与えた。そのかわり、人々の全てをカメラに収めるというものだ。全て=就寝、排便、セックス、シャワーなど全部。そしてそこに住んでいる人にはテレビが与えられ、いつでも好きなチャンネル(そこで生活している人の様子)を見ることができる。

このプロジェクトだけでは終わらず、その後自分と彼女の同棲風景の全てにカメラを設置してネットで配信し始めた・・・。


感想:
いろんな意味で衝撃の映画です。15年も前に今の世の中を予測していて、こういう形で表現しているのがすごいです。
We live in publicはやりすぎだけれど、けどいまやmixi、MySpace、facebook、twitter、YouTubeなどを利用して自分の生活、動画を誰でも配信することができるようになり、人によっては自分のたくさんの部分をさらけだしているのかもしれません。そうしてそれはネット環境にある人なら誰でも閲覧できるようになっています。

たとえば、このブログも。私が書きたいことを書いて、それを誰でも見られます。個人情報はあんまり書いていないけど、誰にでも見せていることになるわけです。

とても賢い人であると同時に、考え方が一般の人とは相当かけ離れています。死に際のお母さんへのビデオレターにも表れているし、100%プライバシーなしのWe live in public。
けど、それは子供時代にさかのぼって彼の人格形成も表現されています。

すごく衝撃の映画です。ぜひ日本でも劇場公開もしくはDVDだけでも出てほしいと思います。

☆の数は…★★★★
(5点満点、★=1、☆=0.5)

We Live in Public 公式サイト(英語)

Amazon.co.jpで見てみる

amazon.comから輸入

We Live in Public
IMDb(毎月世界から5,700万人以上が訪れる映画データベースサイト)より
レイティング:7.4/10
posted by Eri at 01:07| Comment(0) | TrackBack(1) | ドキュメンタリー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年03月13日

The Cove (原題:ザ・コーヴ)

先日第82回アカデミー賞式がありましたね。
私が今年イチオシだった「UP(カールじいさんの空飛ぶ家)」が受賞して大喜びしましたが、「The Cove」も長編ドキュメンタリー賞を受賞しました。

ストーリー: 
和歌山県太地町のイルカ漁を潜入取材したドキュメンタリー映画。世界でも先駆けの元イルカトレイナーのリック・オーベリー氏を中心に、イルカ漁反対を呼び掛けるべく、太地町のイルカ漁の様子を映像で伝え、大量の水銀を含むイルカの肉がクジラ肉と偽装されて売られることなどを指摘している。

太地では、獲ったイルカを世界中のショー・ビジネス関係者へと売っている。それは何億ドルをも稼ぐビジネスなわけです。日本中からイルカを選別する人たちが集まり、何10匹というイルカから選びだす。そして、選ばれなかったイルカたちが無残にも殺されている。

元イルカトレイナーのリック・オーベリー氏は自分がイルカにしたことが如何にイルカにとって不自然で寿命を縮めさせたものだったのかに気付き、イルカ漁反対を掲げて活動をしている。

感想:
まず、イルカ漁の様子を撮影するのがどれほど難しいかということに疑問を感じる。地元の漁師たちは「伝統だ。文化だ。」と悪いことはしていないという主張をしているにも関わらず撮影を認めない。止む無く隠し撮りということになるのだけど、夜中にカメラを設置するときなんか見つかったら殺されちゃうんじゃないかというくらいの緊張感漂うものでした。

英語字幕のDVDで観ましたけど、地元漁師の声はもちろん日本語。聞こえてくる声の荒々しいことに驚く。

海中カメラで撮影された大量のイルカが殺され海が一気に血で真っ赤に染まるシーンは衝撃的。目で見てその残酷さを訴えようとしているのでしょう。

イルカ肉に過度の水銀が含まれていることもショックだし、それを小学校の給食に広めようとする行為も信じがたい。→これはどうやら防ぐことができたようだけど。

何より驚いたのは、日本人だけどこういうことが行われていることを知らなかったということです。

この映画は「イルカ漁反対!!」の人が作っているからもちろんそういう視点がいっぱいです。これを観ただけで公平な判断はできないと思うから、賛成・反対ということは言いません。

ただ、日本人として少なくとも知っておくべき事実です。

ぜひ早い日本公開を!

公開されればメディアが騒ぎひと波乱起こるかもしれないけどそれでいいと思います。そうして問題提起して人々が考えることが大切だと思います。

☆の数は…★★★★
(5点満点、★=1、☆=0.5)

The Cove
IMDb(毎月世界から5,700万人以上が訪れる映画データベースサイト)より

The Cove
リージョンコード1です。日本の一般的なプレイヤーでは観れませんのでご注意ください。

posted by Eri at 20:47| Comment(0) | TrackBack(0) | ドキュメンタリー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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