ストーリー:
1944年のドイツが舞台。肉体的にも精神的にも壊れてしまったヒトラーにユダヤ人のスピーチの講師がいた、という話です。
劣勢に陥っているドイツ軍の士気を高めるためにヒトラーに演説をさせたいが、精神的に壊れているヒトラーでは使い物になりません。そこで、俳優の講師をしているユダヤ人のアドルフ・グリュンバウム教授を強制収容所から家族と共に移送させて、ヒトラーの演説の指南をさせることにします。
ユダヤ人である自分がドイツ軍の士気を高めるためにヒトラーに指南をする…。グリュンバウム教授が断れば家族とともに強制収容所に連れ戻されて待っているのは死です。苦渋の決断をして、憎いヒトラーと対峙することになります。
主演:「善き人のためのソナタ
監督:ダニー・レヴィ
感想:
とても重たい映画のように聞こえますがコメディです。強烈なブラック・コメディ。あえてコメディ調にすることで、観やすくしてくれてるのかなと思いました。
アマゾンやIMDbのレビューはさほど良くありませんが、私は興味深く観ました。事実とは異なるんだろうなぁと思いつつも、物語として面白く観ました。
教授は苦渋の決断で指南役を引き受けたもののヒトラーには敵意しかありません。精神面で壊れているとは言えヒトラーに同情などできません。「演説のため」という名目でギリギリのところまでヒトラーをコケにします。映画全体としても戦時中のドイツの様子を茶化しまくります。
脚色が多いので事実を歪めていると感じる人は不快に感じるかもしれません。
それはそれで楽しめて、戦時中のドイツについて興味がある人は観てもいいと思います。
ところで映画.comによると、ヒトラーに演説の指南役がいたことは事実のようですが、その人物像や物語そのものは監督が脚色したフィクションだということです。
☆の数は…★★☆
(5点満点、★=1、☆=0.5)
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